ホームエデュケーションでご機嫌な毎日

2014年よりホームエデュケーション(ホームスクーリング)開始。きっかけは子どもの不登校。そこから見える景色や日常、思ったこと感じたこと考えたことなどなどを綴っています。

不登校の子がICT教材を使った学習を始めるのは意外とハードルが高いかもしれないから、作戦は必要だと思う

 

今でこそ、学校や塾を利用しながら

教科書や市販の問題集などを使って学習を進めている息子ですが

最初のころは

家庭教師どころか

ICT教材(オンライン通信)を使った学習さえも拒んでいました。

 

自分で「勉強する」と決めたのに、です。

 

どうしてかな?

どうしてでしょう?

やるやる詐欺

口だけで、本当は勉強する気なんてないんじゃない?

時期的に、まだ早かったのね

 

 

って、思いますか?

 

 

実際に子どもと話し合って分かったことですが

決して彼はやる気がなかった訳ではありませんでした。

 

すごくすごく繊細なお話なのですが

その時の彼の気持ちをシンプルに代弁するなら

「勉強はしたい」んです。

でも、

「評価はされたくない」

 

そんな気持ちが浮かび上がってきました。

 

 

たとえ家庭教師でも

通信教材だったとしても

普通に学校に行っている子に交じって

順位付けされること

評価をされること

そのものに対する拒否感は

十分に学校を休んでエネルギーが溜まっていたとはいえ

一歩を踏み出すにはハードルが高かったようです。

 

恐らく、ですが

不登校に至る要因も、決して無関係ではないと思います。

 

 

「じゃあ、どういう風にしたら勉強できそう?」

って聞いたときに

子どもが出した答えは

「母さんと一緒にやる。母さんが教えて」

でした。

 

〝母ちゃんとだったら頑張れる〟

だなんて言われてしまった日にゃあ。。。。。

 

 

 

 

 

やるしかないでしょ!!!!!!!

 

 

 

 

 

そんな訳で、我が家の教科学習のスタートは

親子二人三脚で始まりました。

 

最初は、市販のテキストすら使わず。

算数から始めたい、ということだったので

私が紙に適当に書いた計算式を、子どもが解く。

そこからでした。

 

まずは数字を書ければOK!

みたいなところからしていたような気がします。

 

とにかく。

「評価NG」「ダメ出しNG」

というのは、子どもとのやり取りで分かっていたので

出来る・出来ない・出来るようになる・理解させる

なんて考えは排除です(笑)

 

「お母ちゃんと一緒に勉強するのは楽しい」

という快の情報を

いかに子どもの脳にインプットするか。

最初の勝負所を、そこに置いていました。

勉強時間も、「楽しい」と思える時間で切り上げ。

1日10分くらいからかな?

 

「ええーーー!もう終わり?」

くらいが、丁度いい。

 

「もっとしたいのにーーー」という気持ちを

明日、そしてまた明日へと

一日ずつ繋いでいくように。

 

最初の3週間くらいは、そうしてたんじゃないかなー?

まずは

〝お母ちゃんと一緒に、頑張って勉強をしていこう〟

という気持ちを作っていってたように思います。

 

それから、少しずつ

一回の学習時間を伸ばし

学習内容とスピードに少しずつ負荷をかけて。

 

しかし、間違えても決して✖は付けません(笑)

間違えた箇所を赤ペンで囲むのみです。

「ここ、もっかいやってみようか」

と伝えて。

 

そうしながら

「間違えても大丈夫。

合ってるとか間違ってるとか、出来たとか出来なかったとか

そんな結果は気にしなくていいよ。

いま、自分は〝出来るようになるために〟勉強してるんだから。

いま出来ないところは

出来るようになるまで何回も練習すればいいんだから」

ということを、

繰り返し繰り返し伝えていきました。

 

とにかく練習。なんでも練習。practice、practice!

 

 

そうすることで

学ぶことそのものに楽しみを見つけてほしかった。

教科学習を

「学習指導要領に定められた範囲を理解するだけ」の学習にしてしまうなんて

勿体ない。

せっかくなら、目的をそこにしてしまわずに。

 

教科学習をすることで、自分で自分を成長させていけるんだって

知ってほしかったんですよね。

 

勉強は、評価のためにするんじゃないってこと。

誰かの決めた合格ラインを目指してするものじゃないんだってこと。

 

そこが腑に落ちたら、

この子は次のステップに行けるだろう。

その時に、ICT教材を使った学習を考えよう。

 

そんな思いで、親子二人三脚の学習をスタートさせました。

 

 

そして結果的には

それから一年もしないうちに(7か月後くらいかな?)

無事に、ICTを使った学習へと繋ぐことが出来ました。

 

長い、、、、と思われる方もいるかもしれませんが

そうやって一つずつステップアップしていくごとに本人の自立が進むなら

1年・2年なんて、あっという間です。

 

 

そして、実際に子どものお勉強にお付き合いして思ったのですが

結局、学校でも

小学校1年生から中学校卒業までの時間をかけて

「子どもが自分で学習していける力をつけるように」

カリキュラムを設計してるんだろうなー、と思いました。

 

それが適切に運営されるかどうかは

結局は教師の力量次第、の部分はあるのだと思いますが。

 

もし、あなたのお子さんが

小学生の早い段階で不登校になってしまったのなら

そして

お子さんが、家庭内で学習を始めようという気持ちになられたなら

 

学習そのものを教えるだけでなく

「学習の仕方」「学ぶことの価値」を、気長にじっくりと

時間をかけてでも

教えてあげると良いかもしれません。

 

トイレトレーニングや

お箸の使い方を教えてあげたときのように、ね。

(あなたが教えないと、学校に行ってないその子、永遠に〝学習の仕方〟を学習出来なくないですか?)

 

 

年々、不登校になる子が増えてきて、

低年齢化も進んでいます。

文部科学省不登校の対応も変わってきました。

 

文部科学省通達により、

学校に行っていなくても

自宅でオンラインICT教材を使った学習をした場合には

所属校の校長判断で、出席が認められる方向になっています。

 

そんなこともあって、

ICT教材を使った教科学習に関心を持つ人も増えています。

 

が、いったん〝学校〟 という場に

違和感や恐怖感を感じて不登校になっている子にとって

たとえ自宅でオンライン教材を使ったとしても

教科学習を進めることは

大人が思っている以上に心理的なハードルが高いのだろうと

見ていて感じます。

 

でも、そのハードルを細かく段階に分けて

一つずつクリアすることで

乗り越えていくことも可能なんじゃないかと

私は思っています。

 

もし、あなたのお子さんが

〝勉強したいのに、なかなか取り組めない〟

ということがあるなら

時期尚早、気質の問題と併せて

ハードル設定の問題、ボトルネックの見極めの問題も含めて

もう一度、作戦を考えてみてもいいかもしれません。

 

 我が家の事例が、その参考になれば嬉しいです。

 

 

 

今回のお話に関して、私が大いに参考にさせてもらった書籍も

ご紹介しておきますね。

 

books.rakuten.co.jp