ホームエデュケーションでご機嫌な毎日

2014年よりホームエデュケーション(ホームスクーリング)開始。きっかけは子どもの不登校。そこから見える景色や日常、思ったこと感じたこと考えたことなどなどを綴っています。

大好きな景色

 

あなたは、好きな景色、好きな場所がありますか?

 

私はあります。

 

 

きのう、所用があって、車で1時間ほどのところに出かけていました。

そこは、私の大好きな街。

 

お仕事なので、ふらふらと歩きまわることは出来なかったけど、

帰りはのんびり、好きな景色の中を走ってきました。

 

 

好きな音楽を聴きながら

大好きな景色の中をドライブ♪

 

そう言えば最近、こんなのんびりした時間持ててなかったなー

なんて思いながら。

 

 

 

大好きな小説の中に

砂の城』というお話があります。

遠藤周作さんの小説で

純文学と言うよりは、ちょっとした青春小説みたいな感じのお話です。

 

私はこのお話のストーリーそのものよりも

お話の中で、主人公に対して

亡くなったお母さんが手紙に残したお話が好きで。

 

 

戦争中に娘時代をすごしたそのお母さんは、

戦時中の辛いときには、

自分(と、密かに思いを寄せていた男性)だけが知っている

山の中の秘密の場所に行って、

辛い心を慰めていたんですね。

そして、主人公の娘さんが16歳になったら読むようにと

手紙を残して亡くなりました。

 

その手紙の中には

お母さんが密かに思いを寄せていた男性が

出兵するときに残していった

「負けちゃダメだよ。うつくしいものは必ず消えないんだから」

という言葉が記されていて。

お母さんは、その男性の言葉を拠り所にして

辛い時期に、大好きな美しい秘密の場所に行くことで

心を支えて生きてこられたんですね。

 

そしてお母さんは手紙の中で、主人公に

「美しいものと、けだかいものへの憧れだけは失わないでほしい」

と語りかけます。

 

その言葉は、折に触れて主人公の胸によみがえります。

決して綺麗なことばかりではない現実の中で

自分が思う「美しいもの、善いもの」と

自分と価値観を異にする友だちが求める「美しいもの、善いもの」の距離に悩み、苦悶し、人を知っていく。

そんなお話です。

 

物語中、主人公が問い続け、繰り返される

〝美しいものは必ず消えない〟

〝美しいものと善いものに絶望しないでください〟

という言葉が大好きで

私も、気づけば

何かしんどいことがあるときには

美しい景色、大好きな場所に赴いたり

それが無理な時は心の中に描いたりして

心の支えにしてきたところがあります。

 

綺麗ごとばかりではないと分かっているからこそ

美しいもの、けだかいものへの憧れを忘れないように。

捨て鉢になってしまいそうな自分に負けないように。

 

 

 

あなたには、大好きな景色がありますか?

 

自分なりの「ここ」という場所を決めておくと

何かあった時の心の支えになるかもしれませんよ。